おならが多い・臭いと感じる方へ|考えられる原因と受診の目安
「最近おならの回数が増えた」「以前より臭いが強くなった」「ガスがたまってお腹が張る」といった症状は、なかなか人に相談しづらいものです。
おならは、腸の中にたまったガスを体の外へ出す生理的な現象なので、回数が多いことや臭いがあることだけで病気とは限りません。 食事内容や早食い、便秘などが影響して、一時的に増えることもあります。
一方で、おならの変化とともに腹痛、下痢、便秘、血便、体重減少などが続いている場合には、腸の病気が関係していないか確認することが大切です。
当院では、おならの回数や臭いだけでなく、お腹の張りや便通の変化なども詳しく伺い、必要に応じて大腸カメラ検査などをご案内しています。
目次
おならが多い・臭いとは
腸内のガスは、食事の際に飲み込んだ空気や、食べ物が腸内細菌によって分解される過程などで生じます。
ある程度のおならが出ることは正常な体の働きです。そのため、「1日に何回以上なら異常」というように、回数だけで病気かどうかを判断することはできません。
また、おならの量と臭いは別の問題です。
ガスの多くは無臭ですが、腸内で食べ物が分解される際に発生する一部の成分によって臭いを感じることがあります。
| 気になる症状 | よくある状態 |
|---|---|
| おならの回数が多い | 食事中に飲み込む空気や腸内ガスが増えていることがあります |
| 臭いが強くなった | 食事内容や腸内環境などが影響することがあります |
| 食後におならが増える | 食事内容や腸の動きが関係していることがあります |
| お腹の張りを伴う | 腸内にガスや便がたまっている場合があります |
| 便秘と一緒に起こる | 便が腸内に長くとどまり、ガスがたまりやすくなることがあります |
| 下痢と一緒に起こる | 腸の動きや腸内環境が変化している可能性があります |
おならには個人差があり、食べたものによって一時的に回数や臭いが変化することも珍しくありません。
大切なのは、以前と比べて明らかな変化が続いているかどうかです。
また、ガスだけではなく、便の状態や腹痛、お腹の張りなども一緒に確認しておくと、原因を考える手がかりになります。
おならが多い・臭い主な原因
おならの増加や臭いの変化には、日々の食生活や便秘、腸の働きなど、さまざまな要因が関係します。
食事中に空気を飲み込んでいる
食事や会話の際には、食べ物と一緒に少量の空気も飲み込んでいます。
早食いをする、よく噛まずに食べる、炭酸飲料を多く飲む、ガムをよく噛むといった習慣があると、飲み込む空気が増えることがあります。
その結果、腸内のガスが増えて、おならの回数が多くなることがあります。
食事内容の影響
腸内細菌が食べ物を分解するときにはガスが発生します。
豆類、いも類などを食べたあとにガスが増える方もいます。また、肉類などたんぱく質を多く摂ったあとに臭いが強く感じられることがあります。
| 食事・習慣 | ガスへの影響 |
|---|---|
| 豆類・いも類など | 腸内で発酵し、ガスが増えることがあります |
| 肉類などのたんぱく質 | 腸内で分解される過程で臭いのあるガスが生じることがあります |
| 炭酸飲料 | 消化管内に入るガスが増える原因になります |
| 早食い | 食事と一緒に空気を飲み込みやすくなります |
| 一度の食べ過ぎ | 消化に時間がかかり、腹部膨満感につながることがあります |
ただし、特定の食品がすべての方のおならを増やすわけではありません。
症状が気になる場合には、何を食べた日にガスが増えるのかを確認してみると原因を見つけやすくなります。
便秘
便秘になると便が大腸内に長くとどまり、ガスも排出されにくくなります。
そのため、お腹の張りとともにおならが増えたり、臭いが気になったりすることがあります。
数日便が出ていない、排便するとガスや張りが軽くなる場合には、便秘が関係している可能性があります。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群では、腹痛や腹部不快感とともに、下痢や便秘などの便通異常を繰り返します。
実際のガス量がそれほど多くなくても、腸が刺激に敏感になっていることでガスやお腹の張りを強く感じる方もいます。
ストレスや緊張が強いときに、おならや腹部膨満感が気になる場合もあります。
腸内環境の変化
食生活の変化、体調不良、薬の影響などによって腸内細菌のバランスが変化すると、ガスの量や臭いに変化が出ることがあります。
特に、抗菌薬を使用したあとなどに便通やガスの状態が変わることがあります。
一時的な変化で改善するケースもありますが、下痢や腹痛が続く場合にはご相談ください。
大腸の病気
大腸に炎症や狭窄などがあると、便やガスの流れに影響し、お腹の張りやガスの増加を感じることがあります。
大腸がんなどによって腸管が狭くなった場合には、便が細くなる、便秘と下痢を繰り返す、血便が出るなどの変化を伴う場合があります。
おならの増加だけで大腸がんを疑うわけではありませんが、便通の変化や血便などを伴う場合には大腸を確認することが大切です。
このようなおならの変化がある場合はご相談ください
食事内容によって数日間ガスが増える程度で、その後自然に戻る場合には経過をみることもあります。
一方で、次のような状態が続く場合には、一度ご相談ください。
| 症状・状態 | 確認したいポイント |
|---|---|
| 急におならが増えた状態が続く | 食生活以外の原因がないか確認します |
| お腹の張りが毎日のようにある | 便秘や腸の機能異常などを確認します |
| 便秘とおならが増えている | 便やガスが腸内に停滞していないか確認します |
| 下痢を繰り返している | 過敏性腸症候群なども考えます |
| 腹痛を伴っている | 大腸の炎症などがないか確認します |
| 便が以前より細くなった | 大腸に狭窄などがないか確認します |
| 血便がある | 大腸の炎症や腫瘍性病変などを確認します |
特に、「昔からガスが多い」のではなく、最近になって明らかに症状が変わった場合には、その変化を確認することが大切です。
また、おならの臭いだけを気にするよりも、腹痛や便通の変化などを一緒にみることが受診の判断につながります。
早めの受診をおすすめする症状
おならが多い、臭いという症状だけで緊急性が高いケースは多くありません。
ただし、次のような症状を伴う場合には早めの受診をおすすめします。
- 強い腹痛がある
- お腹が急に大きく張ってきた
- 便もガスも出なくなった
- 嘔吐を繰り返している
- 血便や大量の下血がある
- 便が以前より細くなった
- 便秘と下痢を繰り返している
- 原因不明の体重減少がある
- 貧血を指摘されている
- 発熱を伴っている
特に、強い腹痛や腹部膨満があり、便もガスも出ない場合には、腸閉塞など便やガスの通過に問題が起きている可能性があります。
また、血便や体重減少、便の細さなどが続いている場合には、大腸の病気がないか確認する必要があります。
普段のおならとは明らかに違う変化にほかの症状が重なっている場合には、ガスだけの問題と考えず受診してください。
おならが多い・臭い方におすすめする検査
おならの回数や臭いだけを理由に、すぐに大腸カメラ検査が必要になるわけではありません。
まずは、食事内容や便通、腹痛、お腹の張りなどを確認します。
そのうえで、便通の変化が続いている、血便がある、便が細くなった、腹痛を繰り返す場合には、大腸カメラ検査を検討します。
大腸カメラ検査
大腸カメラ検査では、大腸の粘膜を内側から直接観察します。
おならやお腹の張りに便通異常などを伴う方では、大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患、腸管の狭窄などがないか確認できます。
| 大腸カメラで確認すること | 主な内容 |
|---|---|
| 大腸がん | 腸管を狭くする腫瘍性病変などがないか確認します |
| 大腸ポリープ | ポリープの有無や大きさ、形を確認します |
| 大腸粘膜の炎症 | 潰瘍性大腸炎などを疑う炎症がないか確認します |
| 腸管の狭窄 | 便やガスが通りにくくなる部分がないか確認します |
| 出血の原因 | 血便がある場合に原因となる病変を調べます |
ガスが多いという症状だけですべての方に大腸カメラをおすすめするわけではありません。
症状やこれまでの検査歴を確認し、必要性を判断します。
血液検査など
腹痛や血便など、ほかの症状を伴う場合には血液検査などを行うことがあります。
| 検査・確認 | 主に確認する内容 |
|---|---|
| 問診 | 食事内容、ガスの増え方、便通などを確認します |
| 腹部の診察 | お腹の張りや痛む場所などを確認します |
| 血液検査 | 貧血や炎症などがないか確認します |
| 大腸カメラ検査 | 大腸に炎症や腫瘍性病変などがないか確認します |
おならの量や臭いそのものを測定するのではなく、一緒に起きている症状から原因を探していきます。
便秘や下痢などがあれば、その治療によってガスの症状が軽くなることもあります。
当院でのおならが多い・臭い症状の診療について
おならは患者さんにとって相談しづらい症状かもしれませんが、消化器内科では珍しいご相談ではありません。
当院では、回数や臭いだけでなく、いつから変化したのか、便秘・下痢・腹痛などを伴っていないかを確認します。
| 診察時に確認すること | 具体的な内容 |
|---|---|
| 症状が始まった時期 | 急に増えたのか、以前から続いているのか |
| 食事との関係 | 特定の食べ物のあとに増えていないか |
| 便通の状態 | 便秘、下痢、細い便などがないか |
| お腹の張り | ガスがたまって苦しくなることがあるか |
| 腹痛の有無 | 排便やガスが出ることで改善するか |
| その他の変化 | 血便、体重減少などがないか |
症状から便秘や過敏性腸症候群などが考えられる場合には、それぞれの状態に合わせて治療を行います。
大腸の病気が疑われる場合には、必要に応じて大腸カメラ検査をご提案します。
日常生活では、次のようなポイントを見直してみるのもひとつです。
| 日常生活で意識したいこと | ポイント |
|---|---|
| ゆっくり食事をする | 食事と一緒に空気を飲み込み過ぎないようにします |
| 食べ過ぎを避ける | 一度に大量に食べることによる胃腸への負担を減らします |
| 便秘を放置しない | 便やガスがたまりにくい排便習慣を整えます |
| 食事内容を振り返る | ガスが増える食品に偏っていないか確認します |
| 症状を記録する | 食事と便通、ガスの変化との関係を確認します |
ただし、食べ物を過度に制限する必要はありません。
症状が長く続く場合には、自己流の食事制限を続けるよりも、便通や大腸の状態を確認することが大切です。
おならが多い・臭い症状についてよくある質問
おならが多いのは病気でしょうか?
おならが多いだけで病気とは限りません。
早食いや食事内容、便秘などが影響してガスが増えることがあります。
一方で、腹痛や便通異常などを伴って症状が長く続く場合には、腸の病気がないか確認することがあります。
おならが臭いのは腸内環境が悪いからですか?
食事内容や腸内細菌の状態などによって、おならの臭いは変化します。
そのため、臭いが強いことだけで腸の病気や「腸内環境の悪化」と判断することはできません。
臭いだけでなく、便秘・下痢・腹痛などの症状があるかどうかを確認することが大切です。
おならが多い場合は大腸カメラを受けたほうがよいですか?
おならが多いという症状だけで、すべての方に大腸カメラが必要というわけではありません。
ただし、便が細くなった、血便がある、便秘や下痢を繰り返す、体重が減っている場合には大腸カメラを検討します。
症状やこれまでの検査歴を踏まえて判断します。
便秘が治ればおならも減りますか?
便秘によって便やガスが腸内にたまっている場合には、排便を整えることでおならやお腹の張りが軽減することがあります。
ただし、ガスの原因は食生活や腸の動きなど複数あるため、必ず改善するとは限りません。
便秘とおならの増加が長く続いている場合には、便秘の状態について一度ご相談ください。
ストレスでおならが増えることはありますか?
ストレスや緊張によって腸の動きが変化し、ガスやお腹の張りを感じやすくなることがあります。
過敏性腸症候群では、ストレスとともに腹痛や便通異常が強くなる場合もあります。
ただし、症状をすべてストレスのせいと決めつけず、便通の変化や血便などがある場合には必要な検査を受けることが大切です。

